アメンボの土曜日/青の詩人
なにもない場所をわたっていく
すーいすーいとわたっていく
今しも水面下では熾烈な争いが
繰り広げられていることも知らずに
アメンボだからしょうがねぇや
濃いも薄いもオレにはわかんねぇ
わかりたくもねぇ
いや
わかりたくはあるのだけれど
その争いが ここ以上に
表面的な気がしてならねぇ
てめぇら本気で息止めて生きてるのかよ?
エラ呼吸だから楽なんだろう どうせ
そんなことぼやきながらわたっていく
すーいすーいとわたっていたら
いつのまにかひとりぼっちになっていた
むしろひとりを探していた
バンプオブチキンの猫のように
でもオレにはオレのためだけ
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