錦鱗/
彰
群れを成し
一点を見定め
乱れぬ様は
予め組み込まれた
仕掛けのように
波紋がやがて
飲み込まれ
波間の一部となり
消えゆくように
石瀬に映る影が
揺れながら
あとを追う
水面を跳ねる光が
葉影をすり抜け
息づく緑の香に
混じり
風に乗る
囁きは聞こえない
水音と
葉の戦ぐ音だけが
なおも消えぬまま
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