TREE CLIMBER/はじめ
て巨大な雪玉が上から幹を伝って転がってくるのを必死に避け物凄い吹雪に耐えながら何日も何日も幹にテントを打ち込んで眠っていた 本当は神聖なる世界樹に傷をつけてはいけないのだが今大会のみ許されるそうであるらしかった
雲を抜けるとギラギラとした太陽が僕達の体力を遠慮無く奪っていった 空はどんどん青くなっていくばかりだった そしてどんどん黒に近づいていった 満天の星が綺麗だった 宇宙に出たのだ
気が付くと挑戦者は僕一人だけになっていた 宇宙服を身に付け 果てしない世界樹を登っていった 無重力だったので楽と言えば楽だった 幾日も過ぎ 巨大な枝に手をかけた時 太陽や月までも隠してしまう世界樹の頂上に辿り着いたのだ
そこは天井が緑で覆われていて真っ暗な不思議な空間だった 地上とは別世界のドーム型の森のようだった 僕は中心まで歩いていき 印の旗を刺した
地上に帰ると世界中の生き物達は僕を歓迎してくれて 世界樹を制覇したという永遠の名誉を授けられ 莫大な金銀財宝を手に入れた 取材が世界樹の葉の色が変わり落ちるまで続いた 僕はこの世界樹と共に人生を歩んでいこうと決めた
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