僕の妹/なかがわひろか
 
は手錠を掛けられた
あのきれいな女の人の首をちょん切ったところを
誰かに見られていたらしい
きっとどぶに放り投げたあの顔から足がついたんだ
妹は僕の顔を被ったまま
警察に連れて行かれた

僕は妹の顔を被って
遠くでその様子を見ていた
あまりに突然の出来事で
目の前が真っ白になった

連行される妹を見ながら
僕はすぐにでも妹の顔を剥がそうとかと思ったけど
なんだか怖くて怖くて
それができなかった

妹はその後裁判所に連れて行かれて
裁判で呆気なく死刑になった
死刑の当日僕は妹に逢わせてくれと頼んだけど
それは叶わなかった

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