僕の妹/なかがわひろか
 
僕の妹は背丈が大きい割りに
顔が幼いのを気にしていた
僕はそれでも十分だよと言っていたけど
妹はどうしても納得いかなかった

二人で町を歩いていると
きれいな女の人が歩いてきた
とても大人びた顔つきで
妹はこの顔なら私の体型にぴったりだと言った

僕はその人を路地裏に連れ込んで
持っていた大きな鋏で
その人の首をちょん切った
そしてその人の顔の中身を取り出して
頭からすっぽりと妹に被せた

少しバランスが悪かったけど
確かに妹の体にはよく似合っていた
妹は誇らしげに
今日からこれが私よ、と言った

僕はやれやれと思いながら
[次のページ]
戻る   Point(8)