僕の妹/なかがわひろか
僕の妹は背丈が大きい割りに
顔が幼いのを気にしていた
僕はそれでも十分だよと言っていたけど
妹はどうしても納得いかなかった
二人で町を歩いていると
きれいな女の人が歩いてきた
とても大人びた顔つきで
妹はこの顔なら私の体型にぴったりだと言った
僕はその人を路地裏に連れ込んで
持っていた大きな鋏で
その人の首をちょん切った
そしてその人の顔の中身を取り出して
頭からすっぽりと妹に被せた
少しバランスが悪かったけど
確かに妹の体にはよく似合っていた
妹は誇らしげに
今日からこれが私よ、と言った
僕はやれやれと思いながら
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