口誦さむべき一篇の詩とは何か/んなこたーない
 
{引用=
戦争だって
ちょっと大きな事故
そう思う用心ぶかい日
いちばん寒い日
下着一枚よぶんに着込んで
なんなら下ばき二枚もはいて
三種の薬をよまされて
じゃ行ってくる。
お帰りは?

朝霧のような不満の時代
思想をたもつだけならば
確実、きまぐれで、たいした音もたてずに
たまの日曜、三色すみれで部屋を飾る
その気になれば恋でもする
だが感じることはこわれること
国家よりさきにこわれやすいきみ。

わたしが花ならきみを眺めてあきないだろう。
時計はまいにち
あちこちからささやいている、眼へ
神経へ。耳は
なにかを聞かない。カレンダーの数字は
きちん
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