Obsession/んなこたーない
 
鍵を飲み込むと
おれは白痴のように笑った

口腔に指を突っ込まれ
それでもなお笑いつづけた

おれはおまえの おまえはおれの神だから
互いに迷わず石を投げ合う



おまえは両手を水平に広げて
ビルの屋上から後向きに倒れこんだ

逃げ出せないこの都市の重力が
おまえに磔刑を宣告したのだ

この裏切りの都市がおれたちから唯一奪い損ねたもの
――Obsession



深夜
おれたちは見知らぬひとびとと手を繋いで円になる

その中心点を
おれたちは暗闇を通して凝視する

暗闇を通して おれたちのことを凝視する
何ものかの視線を予感しながら
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