座敷童子/なかがわひろか
座敷童子は暑い暑いと言いながら
バクバクとカキ氷を食べていた
そのうち腹を下し
トイレに駆け込んだが
そこで座敷童子は
自分に似た小さな座敷童子たちを
一斉に排泄した
生まれたての小さな座敷童子たちは
腹が減っていたのか
お腹をキュルキュルキュルキュル言わし
そのうち大食らいの座敷童子に
我も我もと飛びかかった
大食らいの座敷童子は
あっというまに小さな座敷童子たちに食いつぶされた
満腹になった小さな座敷童子たちは勝手に家の戸を開けると
ドタドタと家から出て行って
方々へ散り散りになった
やっと座敷童子がいなくなったので
私はほっとして
後に残った大食らいの座敷童子の骨を
そのまま使えそうだったので
折れたばかりの私の肋にあてがったのだった
(「座敷童子」)
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