「ひかりの信号」/ソティロ
くらは
ただいたずらに
ひからせるだけだった
少なくともぼくは
それによろこびを感じていたし
きっとあちらもそうだろう
と信じていた
朝起きると
おーはーよーうー
と気持ちを込めてちらちらさせる
あちらもちらちらひかると
ぼくはやはりうれしくなった
そのうちに会話がしたくなってきた
モールス信号はわからないけれど
じぶんの信号をつくってしまえばいいし
長い時間をかければ
きっとあちらも理解してくれて
意思疎通がはかれて
それはよりうれしいことのように思えた
そして
あちらも同じこと同じようにを考えているのでは
と思っていた
「
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