ミシガン・レリックス /AB(なかほど)
そんなものだって本当の記憶で
小っちゃい真実だったんじゃないか
机上の空論は楽しい
それを笑って聞いてくれる優しい人が愛しい
お父さんだったかお母さんだったか
君も聞いてくれていた
それだけでも僕にとっての
真実の世界じゃないか
あの日の
あ、
あの日の
という言葉が増えて来ると
もう僕の記憶もおぼろげになっていて
それを不器用な手つきで
粘土で形づくってゆくように
誰かの記憶にしがみつきたがっているのだろう
今日
博物館に行ったよ
そこに
僕がいたよ
4
頬杖が似
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)