コンクリート塊/白昼夢
 
す、さようなら)

5、終焉と繰返し

そびえ立つそれは電子機器に固められたただの石と鉄の塊
(焼夷弾を持て!すべて粉々にしてしまえ)
懲りもせずまたその中に足を踏み入れる。
動作不良の入り口は硝子で出来ている(割ってしまおうか)
寄付金を貪る豚は最上階の養豚場(ミンチにしてしまえ)
偽善者だらけの図書館(詩なんて言葉はそこにはない)
全て燃やしてしまおうか、全て消してしまおうか。畜生畜生言いながら窓の外を見る。
鳥が飛んでいる。自由だ。私は外に出た(肉体だけ)
空を見上げたら、コンクリート塊が見えた。
騙された被害者の強制労働所、豚小屋、いずれはなくなる、いい気味だ!
煙草に火を付けて、深く吸い込んだ。
まったく、いい気味だ。

6、付随

巡らされたセンサの中を吹き抜けていく固い風
殺風景の世界
無駄に多い尽くされた無駄の中
今日は晴れている
そこはコンクリートでできている
届かない光
外れかけたエンブレム
もみ消した煙草の火を眺める


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