メランコリー/んなこたーない
 
黒い炎に包まれた ぼくの無人のパラシュート
予言者たちの展覧会場に迷い込んでいる

狂った頭蓋骨のような鋼鉄の果実
夜の高速道路を疾走する 慎重な共犯者の告発

  やがて廃墟の壁を手探り 仮面は笑う あるいは笑おうとする……

もうぼくは 100年を1秒で走破しない
巨大な舞台装置のなかで 永遠の腕時計を放棄する

  ヘッドライトを横切る銃弾が ひび割れた鏡のようにぼくを惹きつける……

ぼくの視界にひろがる 涙ぐましい夜明けの空へ
真直ぐ片手をさしのべている ミイラのようなぼくの恋人

彼女が消えゆく星を捕らえようとしているのか
昇り来る太陽に <止まれ>を合図しているのか ぼくは知らない

ただ 彼女がそのどちらにも失敗するということだけを ぼくは知っている
そのどちらにも失敗するということだけを。
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