怪人は最果ての岬に/相馬四弦
 
くるくる踊る たんぽぽを踏まないように 最後の季節の

幼子の髪の

ように甘い香りの

ぴんと露を弾く若葉に覆われた丘で

怪人は身体をあたためる

とてもおいしい 熟れた潮風 吸い込んだ

遅い朝に舞い降りる寂しさも

これで平気

踊るよ 踊る

岬の先まで駆けてって

頭の中は全部青色 息を切らしながら

そして誰にも聞かれないように

恋をした少女の名をつぶやく





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