ぼく/んなこたーない
 
風が彼女のスカートをまくって、ぼくらも重たいコートを脱ぐ。
春は最も残酷な季節。地球はぼくらの悪意で回転している。
ぼくらは笑い転げる、不衛生なガード下の無重力と危険なほどに流れる鼻血に。
「踊れ、踊れ、ガスタンクのように」
街は幾何学を所有しない。
アフロファンクの死ねない日。
通信機と万国旗、もつれている。彼女のピンクのパンティーのように。
息を吸い込み、もう一度吸い込む。
ぼくら、素晴らしきパイプカットの広告塔。
何度でも何度でも鼻血を流す。
何度でも?

8時−5時。アリバイのない事務労働。
彼女、時給制度のジュリエット。電流の海に投げ込まれ、
轟音ブルース、ヴ
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