美人は誰か/んなこたーない
 
仕事場で仕事をサボって同僚の女の子と恋バナに花を咲かせていたら、こう結論づけられた。
「結局は顔だよね」
確かに顔の良し悪しは大事だが、けして最重要というわけではないだろう。
そうは思ったが口に出すのは止めておいた。カサノヴァよ、さらば。

ぼくは美しいものを愛する。同時に美しいとされるものには賛嘆を惜しまない。
美は社会生活の反映であり、また時代の証言でもあるからだ。
それでは、次のボードレールの主張はどう考えたらいいのだろうか。
「誰にでもたやすく分かることだが、もしも美を表現することをまかされた
 人間たちが教授・審査員諸氏のルールに従うならば、美それ自身が地上から消えてし
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