時/
彰
風に流されて
落ちた日が
山の端に滲む
飛来した鳥の羽根に
しがみつき
僅かなぬくもりは
山へと堕ちる
眩しすぎる季節が
駆け足で追い立てるから
花たちは散り急ぎ
やがて
萌え立つ緑の底に沈む
押し込まれた色彩は
深みを増し
あざやかさを繋ぎ
朽ちる時を見定め
一斉に灯る
無音の詠唱は
何処までも遠くへ
阻むもの無く
高みへと
彼方へと
受け継がれてゆく
鳥たちの声に綴られ
花たちの色に語られ
眠りゆくものの
頭上に
幾重にも
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