夜の駐車場にて/なかがわひろか
 
整列、点呼

僕の車しか止まっていない駐車場から
大きな声が聞こえてきた
一、二、三、四・・・
きびきびとした張りのある声が響く

一匹の猿が厳しい目で
小猿たちの点呼を確認している

こんな遅くに何をしてるんだい?
僕はボス猿らしいその猿に声を掛ける

おや珍しいねぇ
こんな時間に人がいるなんて

残業が長引いたんだよ
それより一体全体何事なのさ
僕は問う

何も今夜だけに限ったことじゃないさ
あんたらが何にも知らないだけで
うちらはこうやって毎晩この駐車場で
訓練しているのさ

だからって何でここなんだ

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