短い針〜ある坂道の途中で〜/青の詩人
 
って少しだけ怖くなった
坂道の途中で足を止めた


君ともいつか会えなくなるんだね
話せなくなるんだね
その笑顔も 機嫌悪いような顔も 
泣き顔は知らないけど
いつか夢になるんだね


力なく歩き出す足
目の前に続くただ真っ白な道
誰とも一緒に歩けない孤独な未来




だったらもっと話せればいいのに
ありきたりなことも必要だけど
もっと大事なことを 
もっと話せればいいのに

前に進むたびに
前に進めていないと気づく
ただ時計の針を前に進めただけ


そうやって
後悔ばっかで生きてくのか
いつも大事なときにひとりきりで
寂しさを持てないことを寂しがるようにして


いつか
この夢が消える前に
短針の僕と同じ速度の
短針の君がほしい
長針や秒針のスピードも
0.01秒のデジタルの正確さも要らない
もっとゆっくりでもっと曖昧な
君と歩きたい この坂道を
そんなおかしな時計がいい

たとえそれが夢であっても

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