懺悔/atsuchan69
恵の数々が
ただ無味乾燥にすぎてゆく危うさを見た
穏やかな死を前にして思うことは、
人はより愚劣であることに価値が在る
香を焚いて、贅沢な衣を着るより
むしろ裸の身ひとつに価値が在るのだ
僕の失敗(あやまち)は、あの冷たい星に導かれて
挫折による憂いも、無心に祈ることの従順さもなく
ただ全能の叡智によって冷徹に生きたことだ。
しかし今宵。かの忌まわしき戒律を、悉く破ろうではないか?
大酒を呑み、ペリシテ人のごとく仔豚を丸焼きにしよう
神の巫女たちと交わり、生贄の祭壇を総ての正義とともに屠ろう
そう、聖なる神殿を焼き払い、華やかな異教の音楽に酔い痴れよう
――そして最後に、きっと誰かに救いを叫ぼう!
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