池/石原大介
 
まいりました。
おそれいりました。
とりあえず、あと三日
猶予をください。


仕事の話を切り上げるとどうしても
そのままワンルームには帰れなかったので
バスにごんごん揺られてまいった不忍池、
腐った水のふち、呆けたように座り込み、タバコをふかす。

白鳥の足こぎ式ボートがひしめく水面はぎらぎらしてて
それはもう火の玉みたいで
ぎらぎらぎらーって駄洒落じゃん
ってヤラリターって感じがなおもクリティカル、で
目を塞く。


加速度的に老いてゆく両親への
精神的負債。
もちろん素直に
いたわり、と、感謝のこころ。
不安、鬱から来る
漠とした不安。
生得的
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