Mの肖像/んなこたーない
われたひとたちが次の月の幹事を務めるという決まりで、しばらくは続いた。このパーティーはもういまではやっていない。懐かしい思い出のひとつである。
その誕生パーティのときの写真がある。Mはものもらいの眼帯をしていて、その上にマジックペンで目玉を書いている。MとYが偶然にも似たような黄色のTシャツを着てきて、みんなにネタにされたのもそのときである。店を引きあげたあとの帰り道で、Mが信号待ちしているタクシーのフロントガラスにいきなり飛びかかって、みんなを閉口させたのもそのときのはずだ。
その写真はいまはもうぼくの手元にはない。通夜のとき、Mの家族にあげてしまった。
Mの家族についてぼくはM
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