世界球/なかがわひろか
パパにおねだりして買ってもらった
世界
始めはとても小さくて
なかなか言うことを聞いてくれなかったけど
だんだん躾を覚えてきて
今じゃちゃんと言うことを聞く
あたしが小さな頃は
お座りやお手を教えるくらいだったけど
大きくなって
世界も大きくなってきたら
そこにあたしをかたどった
お人形を
たくさんたくさん置いてみた
お人形さんたちは勝手に増殖していって
自分たちでルールとか作って
その他あたしが思いつきで作った動物とかを
殺したり、育てたりしながら
お人形さんたちは生活していった
やっとあたしの手がかからなくなっ
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