サクラサクカラワスレマショウ/藤原有絵
 
った


忘れましょう


ゆうるりと


あの人の鋭い強さも

あの人のふわふわの毛並みのような優しさも


毛布のなかで
しゃぼんのようなさよならが生まれては消え

頭がふわふわしてしまう


最後の涙が
頬をすべって落ちたら

毛布を翻して
バスルームにお湯をはろう

歌でも歌いながら長風呂をして
オートミールの食事を食べて


一人で桜を見に行こう


何故なら 私は
とても自由になったのだから




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