コーラ/黒い鴉
 
いざという時 言葉がでないのは
喉が渇いているからなんです
一滴の水でいいから
すごく濁った水でもいいから

町の明るさに怯えてしまって
町の外れでうずくまる君
ほうっておけないと思ったのは
一滴の水が流れたから

それは僕にもある僕なりの考え
でも君にもある君なりの考え
『私は汚れてしまったから
もう
こんな手じゃ誰にも触れない』

ずいぶんあきらめの悪い僕
『やらしいね
偽善者のつもり?』
『もういいでしょ
何様のつもり?』
『あなたは
なんにも知らないくせに』

吐き出す罵詈雑言 その分だけ
ずっと震えていたんだね
よく知ってるよ 君のこと
少なくても
ずっと喉が渇いてたってこと

嫌になるまで 空になるまで
分け合い 飲み込む 濁った水
残った空のビン
底が見えたお互いの人間
ほら なんてことはないでしょ
想うところは同じなんです
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