詩集・人生の最中に/生田 稔
 
うどうりをはいってゆくと
しんきょうごくのいりくち
まず京都座があった
おとうとと、この新京極のいりくちをたびたびくぐった
いいおとうとだった、おとうとのおもいでは淋しい
いじめたからだ

十五、十六、十七とわたしのじんせいくらかった
でも、いまかんがえると、たいしたことはないじんせいだ
わたしにとってはくらかっただけだ
いまは、ほんばかりよむ ねんきんじいさんになった
ねんきんも,さいていかかくをもらっている
じゃあ、いまわたしがよんでるほんをしょうかいしよう

「教会史」
「物性物理の世界」
「はじめてのラテン語」
「ケルトの神話」
「ギルガメシュ叙事詩」
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