詩集・人生の最中に/生田 稔
 
をみむ
歌声響く部屋
窓に陽光差し入り
鉦の音に夢やぶる

肉不味く 菜魚好む
舌鼓うち 出でぬ
妻と親しみて
こを賦す、午後三時。

      
 失望より醒めて

青きペン取り上げて
雨の降る窓外
モームのサミングアップに目がゆく
いつもの書斎、思い出はつきず
花瓶にさしたる百円の造花
チェックのハンカチイフ
こんな生活を続けていてもよいのだろうか
午後になれば うとうとと ソフアーの夢
花がたあむれあう
楽しく雀たち餌をついばむ
さあ、散髪にいこう
美しき絵もみよう

こんな詩らしきもの書き
心慰めん
しとしとと夏の雨
恋愛映画を観
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