詩集・人生の最中に/生田 稔
とも年寄り
なにも思わなくなって
戦争、空腹ばかり
花と食べ物、通りを歩く
両側、花がいっぱい、旅行帰り、食堂
紺のブレーザー、忘れ
電話、有ります
水仙の花、高雅さ、胸を満たし
今日、一日が始まる
空にジェツト機の音、静かな団地の朝。
夕べに
キヤンドルの小さな灯
妻と妹がしゃべる
ポピュラーが囁く
散文的になりそうな詩
空腹で続かぬ
ジャズがなりだし
腹はくち
あまりにモダンで
詩にしにくい部屋
に妻と妹と僕
「大菩薩峠」をやると妹は言う
貰っちゃだめと妻
だって三十巻でタダだぜ
やっぱりだめだった
嫁
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