ら、むーん ★/atsuchan69
 
匂い
その膠質の粘液に映りかがやく
         ――ら、むーん
             (甘いささやき

仄かに発光し、花弁の絨毯の上を
揺れつづける声が中空を舞う )))
妖精の羽ばたきにも似た
哀しくも甘い息と息、その喘ぎ
夢うつつに交わす、つがいの音色は清く

疑う者たちへの沈黙と笑み、
「答え」は、
一瞬のうちに――
細く柔らかな咽喉を)
鋭利なことばで/切り裂く

 サクラ、
その薄紅のはなびらが夜も尚、
歓びに震えつづける刹那
人知れず山懐の擁く万象を見渡し、
散るさまはかなしみもなく

ただ雲の間に、いくぶん懼れを孕んで」」







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