無題/キメラ
 

おつかれさん

ねむけがやってきたなら
やっと終わりがやってくる
温かな手でぬくぬくと眠ったなら
きっと脅かすものは小さくなり
もっともっと小さくする
胸のぬくもりのままに
愛をさえずり月の湖から青い鳥がやってくる
嘴からは夢の色がふり
湖を愛の色彩で埋め尽くす
指先で熱を契りながら流れるくうきは
宇宙を浄化し続ける唇の疎ましいあこがれだ


すこしだけでいいから綺麗なものに触れたい
哀しみよりも
美しい言葉を
ささやきながら
絶望のうえに
あたらしい記念碑をうちたてよ
呼吸と心臓はちぐはぐになることもないまま
トランキライザーと食塩とアルコールが
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