君の名はジョイ/川口 掌
 
けて
ペットボトルのキャップだの舞い落ちた桜の花びらだの誰かの投げ捨てたお菓子の包み紙だの を
小太郎さんのベッドの上 枕元いっぱいに並べました

やがて帰宅した小太郎さんは自分のベッドを見てびっくりです
ジョイ! おいで!
説教しようと悪戯子猫を呼んで
喜び駆け寄って来た子猫を見て少し気が変わります
ジョイは昨晩酒の肴につまみ食いしたポテチを咥え
自分で食べるでなく 必死で小太郎さんの口許に運ぼうとしています
少し微笑んだ小太郎さんは言いました

今朝はごめんな
お前は何もしなくていいんだよ
そのままでここに居てくれるだけで俺は幸せになれるんだから

そしてジョイを抱き上げ
朝の分まで優しく
優しく撫ぜるのでした



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