空色/
なかがわひろか
嗚呼、空だ
空だけが、ある
この視界を埋めるのは
ただ唯一の空だ
嗚呼、なんて重い
この一つの体で支えるには
なんて重い
体中が大地に縛り付けられて
気づかぬうちに犯されそうだ
朱色が青と混じり合う
そのひどい色の組み合わせを
最後には結局取り消すように
真っ黒に
嗚呼、空だ
(「空色」)
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