9月の傾斜/山田せばすちゃん
 

必ず一つや二つはあるファミレスで
無愛想なウエイトレスと
煮詰まったコーヒーをお代わりする苦痛に耐えられれば
あとはどうということもなく
窓際の席で女を待つだけ


           そのいぬはぼくをさがそうとしてぼくをおいかけて
           かあさんがくさりをはずしたそのすきにいえをとびだして
           ぼくとよくさんぽにいったこうえんにはしっていくとちゅうで
           みちにとびだしてくるまにひかれたのです
           ぼくがおうだんほどうのわたりかたをおしえていなかったのです


言い忘れた事がひとつだけあった
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