茎旬/ねなぎ
 

雨音
雨垂れ

ザンとしたら
降っていた

竹の鈴鳴りに
辺りは静けさが
舞い上って
流れ出す

内包する
微細な溶液が
呼応するように
震える


水音
水飛沫

ぬかるみに足を取られ
転げた

こびりついた冷たさが
生暖かに変わり
ゆっくりと
伝わって滴る

染み出した有機が
溢れるように通り
張り巡らされて
吸う様を思う


息吹
息衝く

ふとしたら
止んでいた

泥を拭い
風に揺らめくように
葉音が木漏れ日を
婉曲させていた

煙りが漂い
生気を濃くして
地中より真っ直ぐに
立ち上るのを感じる
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