耳鳴りの海に身を漂わせて/はじめ
 
ていた 起き上がり海を見てみると 海は平穏を取り戻したようで コーラルグリーンの空の真夏の太陽の光をキラキラと反射させて眩耀していた
 僕を助けてくれたのは鉛白色の海豚達だった 海豚達は波打ち際に一列に並び キューイ と泣いた
 僕は海豚達みんなに礼を言い 一匹一匹の頭を撫でた 海豚達は体の向きを変え 耳鳴りの海へと帰っていった 遙か彼方の夕日がゆっくりと海へ沈んでいった 太陽にもきっと耳があるだろう?
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