死生観。/渕崎。
 

つらくて、とてもかなしくて、自分が凄くなさけない。
自分の命はどれだけちっぽけなんだろう、って思ってしまうから。


1年前、一度、わたしは死んだ。
死んで、死んだはずで死ぬはずで、でも今生きている。
あぁ、死ねないんだ。
まだ死んじゃいけないんだ、生きなさいってことなんだなぁ、って病院のベッドで回らない思考と自分の身体なのに半分麻痺して動かない身体で、やつれたママを見て思った。
わたしの寿命はここで尽きるようにはできてないんだって。
失敗したとか、そういうんじゃなくて、本当に漠然と「あぁ、まだなんだな」って。


運命信望者ではないけど、わたしは思うんだ。
寿命で死ぬ人、病気で死ぬ人、事故で亡くなる人、自殺する人。
人間に平等に訪れるのが「死」なら、どんな死に方でも不公平かもしれなくてもそれは最初から決められていた運命なんじゃないかなって。
だから、わたしは今生きているこの命に感謝します。
死ぬときがくるまで、ただ生きます。
一度捨てたのに、ママがお医者様が看護婦さんがいらなくないよって拾った命だもの。
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