空飛ぶ機械のための習作/はらだまさる
 
う。そして、それが然も自分本来の考え方であるような錯覚を自分に与え、自分で自分を欺いているのだ。歪な自己正当化である。それが本当の支配なのかどうかは全く別なのだけれど、支配される危険に対する自己防衛の手段としての自己正当化が反射的に働くのだ。


 と、ここまでの、のっぺりとした文章を読んで何かしらの反応が、敏感なあなたの内部で起こっているのではないだろうか。それはこれらの文章によってあなたは、あなたの内部に存在するボタンを押されたからである。あなたは、ボタンを押されて反応する機械なのだ。そのように生産され、長い年月をかけて複雑にプログラミングされた機械なのだ。


自 己 正 当
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