空飛ぶ機械のための習作/はらだまさる
 
しいことではない。とても簡単なことだ。少しの勇気があれば、それで十分なのだ。読んで理解するだけはなく、行動してみて初めて気が付くことがある。「許す」というのも勇気だ。自分自身を表現するのもまた、勇気だ。

 ボタンを押されて反応してしまうのは仕方がない。あなたは機械だから。しかしあなたが、本当は「欲しくないのに持っている不満」の麻薬的な感情を、そのエネルギーを持ち続けるために失っているものとは何だろう。私が正しい、私は悪くない、俺は支配されない、俺が支配してやる、僕の勝ちだ、僕は負けることがない、あなたは間違っている、という思いを抱き、その対象となる機械との関係において失ってしまったものとは、
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