巨木/maynard
俺は木が木であるように
俺は俺なのだ
大地に生えた草を
毟り取って行くような作業
それは切なくて儚くて辛くて尊い
俺と言う木を
目立たせるために
雑草一本でさえ許さない
大地に生えた草を全て排除し
俺の肥やしにしてやるのだ
お前たちのように
あっちに枝を伸ばしたり
こっちに曲がって成長したりは
俺は消してしない
年輪の美しさや傷の無い真っ当さなど
これっぽっちでも気にはしない
ただただ真っ直ぐと
それだけが重要で
あとは逃げ道に過ぎない
ただ真っ直ぐと育つ
天に向かってどっしりと
聳え立つのだ
そして空だけを見て暮らすのだ
いつの日かたどり着いてやる
木は俺が俺であるように
木は木であるのだ
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