声/願/石田 圭太
 
は声がする
外には無いもので美しい
君の放つ幾つものシグナル
仮初だろうそれは/無視して渡る
掻き分けて泳ぐ
中には幾つもの新しいシグナル
願いだろうそれは/本当のところ
俺達はそこではめくらだから
善いものとそうでないものの区別は付かない
でも特に襞が良い
俺にはない襞が良いって喜ぶ
跳ねるよ俺は
跳ねるね君もそこが良いって
俺達が身体を登りつめた朝
発熱と冷却はほぼ同時進行だったけれど
それは生まれたときに誰かが死んでいたのと同じで
上手くバランスは取れていたと思う
ごっこなら君は鬼が良い
そういう位置で追いかけるから





戻る   Point(18)