輪廻/Rin K
 
れてゆく
          〜青〜


  三


夏の浜辺が熱すぎたことを
朧月夜に思い出した
足跡のないぼくらは、ここで
二度出逢って三度別れた

疑問符のない違和感が
さらさらと北へ
ずれはじめる
          〜砂〜


  四


白い貝殻ばかりを集めるように
散らばった五十音を、てのひらに
ためているうちに
いつの間にか夕凪と
砂を噛んでいた
          〜記憶〜




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