「種を蒔く」/ソティロ
人類が滅びてもその木は生きつづける
さいごに、
何の種かわからない種もいい
どこかで拾ったり、ひとにもらったりして、
早速蒔いてみるだろう
毎日が楽しみで
わくわくしながら
でも自分のやり方が間違っていやしないかと
びくびくもしながら
暮らせるだろう
芽がでたら、とても嬉しがる
枯らしてしまっても、残念だけど、
まあ
いいや
って思う
種が欲しいなあ
でも問題がひとつあって、
種がいくらあっても
うちは集合住宅で蒔く庭がない
あっ、いいこと思いついた
だからぼくは、言葉という種を蒔こう
決まった
「そして災いという実を実らせるのね」
にやにやしてきみが言う
うひゃー
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