ひとり、であるということ/渡邉建志
わたしはこの最終連が一番好きだ。ここにこそ、ほんとうの孤独がある。2000年代を生きる一人の青年の孤独を、わたしは同年代の生きるものとして、激しく共感してしまう。この過去助動詞「た」の連続。ほんとうに、静かだったんだろうな、とおもう。寒くなるんだけど、それは「すこし」寒くなるんだ。それで、また寝ちゃうんだ。それで、題名が「夜、起きてまた寝た」なんだ。その、漫才風に言うと「そのままやんけ」みたいな感じ、そういっちゃうと否定的に聞こえるけどそんなつもりはなくて、その題名の「そっけなさ」こそ、この「ひとり、であること」の、はだか、さ、を如実に示しているとおもう。ほんとうに、ひとりで、ほんとうに、しずかで、たまらなくなる。この、「た」の連続。
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