ゲル状/仲本いすら
 
いた

想わずには居られなかった。


* **



からっぽに、
からっぽを注ぐと


からっぽなの?





それは貰えないと
断りながらも
僕の目は岩石が持つ
その札束に目が眩んだ
しかしその後
岩石から暖かい
液体が流れている事に気づき
僕は口を塞ぐ


* * *


あなたにまだ
知っていて欲しいことがあったの

あたし
とてもとても
人間だったのよって事。





ぬめりとした其れは
かつての祖母の抜け殻を脱して

今まさに
にんげんになろうとしている





明日には、
脚が生えて

世界中の写真を撮るのだと
あぶくを出している。




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