colors/水町綜助
とき
東に
西に
僕は引かれる
太陽を投擲し光を突き刺すか
太陽を捕らえ光に貫かれるか
恒星にしてみればいずれにしても黎明
君にしてみれば
失われた満ち潮の海岸
君を思う
とき
*
君を思う
とき
北と
南に
僕は引かれる
あついからだ寒くて
熱い炭酸水と
さむいからだ暑くて
冷たい太陽と
裸身にしてみれば同じこと
君をはだかにしてみれば
三月十二日未明
君を思う
とき
*
君を思う
とき
数え切れない色と色がぶちまけられ
独立して広がってそして
境界をなくして
入り乱れている
君は裂けている
君を思う
とき
僕は真中からふたつに割けそうになる
君を思う
僕は
もう
君にやわらかく
やわらかくなった僕は
割けることなく
うごかず
君の
前に
いる
君に
いる
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