聞かれないことに答えるひと/んなこたーない
はなさそうだ。
いまの詩の世界にシーンやオーバーグランド云々といった幸福な関係は存在しないからである。
なんでも詩の世界には賞がたくさんあるそうで、
しかも仲間内で選者と受賞者をかわりばんこにやるのが流行であるそうだ。
これもまた吉本隆明が言っていたことだが、もし本当の話だとしたらかなりの噴飯ものである。
ぼくは選者でも受賞者でもないので事実はよく分からない。
しかしこの世の中にそんなバカなことが起こりうるのだろうか。
いいや、バカなことばかり起こるのがこの世の中なのである。
世俗と絶縁することによって芸術の純粋性は守られる。そういう考え方がある。
だからこそ、芸術の世界に官僚主義が蔓延するようでは堪らない。
しかし官僚主義は純粋芸術の持病だと割り切った方がスッキリするのではないだろうか。
もしも、詩の健康体は何かと聞かれたら、それはファッショであるとぼくは答えるだろう。
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