手と手/海月
幻想と想像
世界は常に歪みを繰り返す
全てをいい方向へと倒そうとする
その為にバランスを崩して
違う方へと倒れる
君の手を一億から探し出す
玩具の人形は瞬きをせずに
僕を睨み付けている
髪を梳かせ
と
僕を睨み付ける
手入れをしていない髪はボロボロで
クシが通らず絡まり合う
朝顔の蔓の様に複雑に絡まり
自然と枯れるのを待つ
種を手に入れる為に闇になるのを待った
西の空は闇に染まった
月明かりの下
僕の手は青白く光っていた
右手を差し伸ばしても
君の手は握り返してくれない
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