自由をめぐる空想/ワタナベ
 
飛行の関係)(酸素濃度の変化が人体に及ぼす影響)
などなどひととおり勉強した

おもえばあの1年間は僕の人生の中で一番熱心に勉強した期間だったようにおもう
子供のころから空を飛ぶことに対するあこがれは人一倍もっていたし
飛べないよりは飛べるほうがいい、と単純に信じていたし

その甲斐あってなんとか試験には無事合格し
今では天気がよくて風レベルが3くらいまでの日だったらもんだいなく飛べる

たとえば今日のような日は格好の飛行日和だ
そろそろバイトの時間
僕は肩から鞄をさげて
玄関からふわりと飛びたつ

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ある日、空があまりにもきれいだったのでふらふらと空中散歩し
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