暁の巡礼/モーヌ。
曇った 庭の かたすみ に
そんな 便りが ある
二季を 過ぎて きた 冬の 朝顔が
ア・カペラを 一輪 ふるえて
白さに ひらかれた 暗さの 土地で
無伴奏( のために... )を 置弦し
静止画 が もつれて ゆくのを 指で 追う
立てられた 軽音を からからと たどって
たぐり 寄せ 反射する 純情を はじく
花に ほてって 青ざめた その 朝の 和音を
伸び あがる カオスの 3声を 薫って
陽を 待ちながら 割れた 指先と
打ち水を 陽光に 染めた 手を 持って
あかね雲の 厚い 白夜に
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