弱さという温もり/
茉莉香
疲れて仰向けになって空を見上げると
手を伸ばせばいつでも届く距離
涙を私にぽたりと垂らしながら
あなたは両手を広げて私を力いっぱい抱き締める
足枷は貴方の優しさと弱さ
私は逃げてもその足枷の傷みに
鎖の長さに屈しそのまま平伏す
それでもこの温もりは本当ではないことを本能は悟り
貴方は私と他の女性と全てを手に入れようと
寂しさと弱さとをない交ぜにした顔で
必死に手を伸ばして私を掴む
諦めないここからいつか
私は憎悪を心に溜める
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