灯/
紅柳みつば
れているのか
全てが虚しく
手放すことに走った
この瞬間さえも
やはり月は
目の前から
消えることはなく
これから先も
どこまでも私を
追うだろう
まるで
この世の
全てのものが
寝静まったかのような
そんな静寂に
包まれたとある一角
一人の若者は
誰にも気付かれることなく心のうちに
わずかな光を宿し
差し込む光に
まぶたを閉じた
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